2026年7月1日時点の福岡県地価調査で、福岡市の住宅地の対前年平均変動率はプラス5.5%でした。この数字が示すのは土地の価格で、家賃や住宅の購入価格の上昇率とは別です。2023年の住宅の所有関係別構成では、民営借家が49.3%を占めます。市には条件を満たす子育て世帯の市内転居への助成があります。選挙では、支援の対象や期間、家賃補助と住宅供給の違いを確かめましょう。
今、福岡市でどうなっている?
福岡県が2026年9月に公表した地価調査では、福岡市の住宅地の対前年平均変動率は2026年7月1日時点で5.5%でした。2025年の同じ系列は7.2%です。継続地点ごとの変動率を平均した指標であり、市内のすべての土地が同じ割合で値上がりしたことを表すものではありません。福岡県「令和8年度福岡県地価調査の概要」資料編7ページ
同資料では、2026年の住宅地の対前年平均変動率は東区3.9%、博多区5.2%、中央区6.0%、南区4.5%、西区6.2%、城南区6.4%、早良区6.7%です。区内でも立地や物件によって状況は異なります。福岡県「令和8年度福岡県地価調査の概要」資料編7ページ
市の住生活基本計画は、2023年の住宅・土地統計調査に基づき、市内の住宅所有別構成に占める民営借家の割合を49.3%としています。住宅政策を考える際は、購入する人だけでなく、賃貸で住む人の状況を見る必要があります。福岡市「住生活基本計画」25ページ
| 数字の種類 | 何を示すか | 読む際の注意 |
|---|---|---|
| 地価 | 調査対象となる土地の価格 | 家賃や建物を含む購入価格の変化とは異なる |
| 住宅購入価格 | 戸建てやマンションなどの取引・販売価格 | 新築か中古か、広さや立地で違う |
| 募集家賃 | 市場に出た物件の募集条件 | 既存の入居者が実際に払う家賃と異なる |
| 支払家賃 | 入居中の世帯などが支払う家賃 | 調査対象や契約時期が結果に影響する |
土地の価格が上がったという数字だけから、家賃も同じ率で上がったとは言えません。物件の種類、広さ、築年数、地域、調査時点をそろえた資料でそれぞれを読むことが大切です。
なぜ市長選の論点になる?
家賃や購入費は、家計の継続的な負担になります。希望する住宅が予算内に見つからなければ、通勤や通学の時間、子どもの生活圏、転居の可否にも影響します。借りる世帯と購入する世帯では、必要とする支援も異なります。
市は、予算や法令の範囲で、住宅に関する補助制度、相談、公営住宅の管理や整備などを検討できます。民間住宅の賃料や供給には、住宅所有者、事業者、金融機関などの判断も関わります。市の政策が誰のどの負担に届くのか、実施までに何が必要かが市長選の比較点になります。
今ある制度・取り組み
福岡市の2026年度「子育て世帯市内引越し応援事業」は、2026年4月1日以降に市内から市内へ転居する一定の子育て世帯を対象に、住宅取得費、民間賃貸住宅の家賃、引越し費用等を助成します。家賃助成の基本額は年10万円で最長5年間です。住宅取得費助成は基本額年20万円で最長5年間、引越し費用等助成は基本上限額15万円です。助成ごとに対象費用や上限があり、組み合わせられる場合があります。福岡市「子育て世帯市内引越し応援事業」
対象世帯には、扶養する子どもがいる世帯や、転居時に母子手帳の交付を受けた妊娠中の人がいる世帯などが含まれます。転居前後の住宅、納税、他の助成金との関係などの要件もあります。家賃助成と住宅取得費助成は、指定する小学校区への新たな転居が対象外です。同一校区内での転居は新たな住替えに当たらないと市は説明しています。引越し費用等助成の対象住宅は別の条件で判断します。詳細と申請期限は市の案内で確認できます。福岡市「子育て世帯市内引越し応援事業」
この助成は、対象となる市内転居を支える現行事業です。新たな公約で支援対象を広げる場合は、子育て世帯以外を含むか、転居を伴わない人にも届くか、指定校区や住宅の条件をどう扱うかで、現制度との違いが分かります。
どんな対策・選択肢がある?
家賃の直接補助は、要件を満たす世帯の支払いを軽くする方法です。対象を所得、年齢、世帯構成、住宅の種類、転居の有無などでどう決めるかが、支援が届く範囲を左右します。対象人数、給付額、継続年数によって必要な予算が変わり、申請や審査の体制も必要です。
公営住宅の整備・活用は、一定の条件を満たす世帯に住まいの選択肢を提供する方法です。利用できる戸数、立地、入居条件を確認する必要があります。新たな整備には用地、建設費、管理費と時間がかかります。既存住宅を活用する場合も修繕や維持管理の費用が必要です。
入居相談や保証の支援は、住宅を探す際の情報や契約上の課題に対応する方法です。相談を増やしても、希望する地域に利用できる住宅がなければ解決しにくいため、貸主や支援団体との連携、受け入れ先の確保が重要になります。
空き家の活用は、既存の住宅を再び使う選択肢です。改修費や所有者の意向、権利関係、立地、入居後の管理を確認する必要があります。空き家の総数をそのまま入居可能な住宅数と考えることはできません。空き家の現状と管理・活用を読む
候補者の公約を見るポイント
補助の公約では、対象となる世帯、転居の要否、支援額、期間、所得などの条件、必要な費用と財源を確認します。住宅供給や都市開発の提案では、何をいつ整備し、住宅費や住みやすさへの影響をどの指標で確かめるのかが比較点です。
家賃補助について候補者を比較する
都心再開発について候補者を比較する
候補者一覧と各候補者の公表政策を見る
まとめ
福岡市の住宅地の地価調査は上昇を示しています。家賃や購入価格は、それぞれ対象をそろえた別の資料で確認しましょう。住宅政策は、今の支援を利用できる人と新たに支援を受ける人、必要な予算、入居までの時間を比べることで、実際に届く範囲が見えてきます。